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COVID-19における全国各地でのプライマリ・ケア診療モデルの紹介 case01-1 神奈川県川崎北部医療圏 神奈川モデルと川崎市PCRセンター 川崎医療生活協同組合 久地診療所 喜瀬 守人 (2020-06-03)

診療システムの構築に至った流れ

神奈川県は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で発生した新型コロナウイルス感染症の感染者を受け入れた経験から、いち早く感染爆発に備え、医療崩壊を防ぐための取り組みとして「神奈川モデル」の構築を構想した。これを受けて、県医師会からは、帰国者・接触者外来における検査・診断に負荷が集中してボトルネックとなっていることから、検査体制の拡充を目指し、PCR検査センターの設置を県医師会が提案した。

システムの実際の枠組み

神奈川県では、感染フェーズを①フェーズ0、②フェーズ1:移行期、③フェーズ2:蔓延期と捉え、フェーズ1:移行期からの運用を前提としている(表)。
県に医療調整本部を設置し、各医療機関への患者受入・搬送等の調整を行います。医療機関は無症状・軽症(酸素投与不要)、中等症(酸素投与が必要)、重症(人工呼吸器、ECMOを使用)に3通りに分けられ、それぞれ自宅・宿泊施設等、県の指定する重点医療機関、救命救急センター等の高度急性期・急性期病院が患者受け入れを担うことになる(図)。
さらに、報告者の勤務地がある川崎市では、医師会が委託を受ける形でPCRセンターを市内3箇所に設置し、5月中旬から週2〜3日稼働させている。市内医療機関からの紹介で受診することができ、医師会からの要請に応じた医師会員が検体採取に当たっている。

フェーズ0 フェーズ1:移⾏期 フェーズ2:蔓延期
重症患者数 20人まで 20から100人 100から300人
中等症患者数 100人まで 100人から500人 500人から2500人
新型コロナ感染症
医療体制
感染症指定
機関
⾼度医療機関拡充
重点医療機関
(軽症者の⾃宅・
宿泊施設療養)
⾼度医療機関拡充
重点医療機関拡充
軽症者の⾃宅
・宿泊施設療養
他の医療体制 平時医療継続 ⼀部医療の抑制 ⼀部医療抑制の継続・拡⼤

表.神奈川モデルにおけるフェーズ区分の目安

図.神奈川モデルにおける患者搬送の流れ

図.神奈川モデルにおける患者搬送の流れ

参考:
神奈川県ホームページ.新型コロナウイルス感染症対策の医療提供体制「神奈川モデル」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/covid19/ms/index.html(2020/5/15確認)
川崎市ホームページ.PCR集合検査場について
http://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000117308.html(2020/5/15確認)

うまくいっている点

市の医師会員に希望を募ったところ、医師だけで100人を越える希望者があり、PCR検査場の人的資源は十分に確保できたようだった。報告者が勤務する川崎市北部では、中等症を市立病院や急性期病院、重症は大学病院が担当することになっており、診療所から見ると役割分担が明確で紹介しやすい体制になっていた。

改善を必要とする点

これは全国的な傾向であろうが、医療機関で「基準は満たさないが疑いが強い」と判断したケースでもPCR検査まで至らず、今後予想される第2波以降では、疑い例がスムーズに検査できるだけの体制が必要だと考える。

〈調査・掲載〉

「covid-19パンデミックに対応したプライマリ・ケア診療システムの集積」対策チーム

日本プライマリ・ケア連合学会
予防医療・健康増進委員会
感染対策チーム

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