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COVID-19における全国各地でのプライマリ・ケア診療モデルの紹介 case02-3 東京医科大学病院の取り組み 病棟での入院診療を中心とした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応の現状 東京医科大学病院 総合診療科 畑中志郎 (2020-08-18)

診療システムの構築に至った流れ

COVID-19患者数の増加に伴い、令和2年3月下旬には東京都の感染症指定医療機関の病床が逼迫した。4月初旬に東京都から特定機能病院である当院へ一般病床・ICU病床確保の要請があった。これを受けて COVID-19診療チームを編成することになった。

システムの実際の枠組み

一般病床は2つの病棟をCOVID-19専用病床とした。通常の診療では1病棟32床のところ、全て1人床としたため最大20床で運用した。ICU病床は通常の診療では16床のところ、ICU専属スタッフの人員や感染対策などの関係で最大6床で運用した。術後ICU管理を必要とする手術は大幅に減らさざるを得ず、手術件数は令和2年3月と比べ4月は半数以下となった。

一般病床は感染症科、呼吸器内科、臨床検査医学科の医師と内科系後期研修医、ICU病床は麻酔科、循環器内科の医師と外科系後期研修医でチームを編成した。一般病床のチームリーダーは感染症専門医もしくは呼吸器内科専門医とした(当院の臨床検査医学科はHIV感染症と血液凝固異常症を診療する科で感染症専門医が存在する)。後期研修医は各科から順番に派遣し、4週間毎に交代する仕組みとした。

一般病床は最大で5チーム編成し、患者数の増減によって適宜チーム数を調整した(図)。
毎日、医師・看護師・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・管理栄養士・理学療法士・メンタルヘルス科医師でカンファレンスを行い、患者情報や問題点を共有するよう努めた。

イメージ

図. 東京医科大学病院における一般病床のCOVID-19診療チーム

うまくいっている点

高齢者や認知症患者のせん妄への対応、嚥下機能の低下した患者や食欲のない患者への細かい食形態の変更等々、多職種で毎日全患者のカンファレンスを行い日々問題点を共有することで、患者ケアの向上に繋がった。COVID-19診療チーム内に各臓器別専門科の医師がいることで、心不全や透析患者の体液管理や糖尿病患者の血糖コントロールなどの対応がスムーズに行えた。

改善を必要とする点

令和2年5月28日まで2回のPCR検査陰性を確認しないと退院できなかったため、症状の軽快後もPCR検査陽性が続き長期入院を余儀なくされる患者が多かった。5月29日に「発症から14日間が経過し、かつ症状が軽快してから72時間経過すればPCR検査なしで退院できる」と変更されたが、入所していた施設へ戻る際や転院の際にPCR検査陰性を求められる例があった。「PCR検査陽性=感染性がある」ではないことが周知される必要があると感じた。

〈調査・掲載〉

「covid-19パンデミックに対応したプライマリ・ケア診療システムの集積」対策チーム

日本プライマリ・ケア連合学会
予防医療・健康増進委員会
感染対策チーム

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